王子様と白雪姫を乗せた馬が、森を歩いて行く。
木や植物だらけの道だったが、やがて開けた場所にたどりついた。
街が近くにあるのだ。
「よかったら、話を聞かせてくれないかな。これまでの事を」
王子様が言った。

白雪姫は、これまでの事を話し始めた。
自分はとある国の王女。母親は亡くなって、のちに違う美しい女性と再婚した。
ところがその再婚相手から自分は命を狙われ、狩人と共に森に来て森に置き去りにされた形になった。
のちに森に住む小人に保護されて一緒に住むことになった。
ある日、老婆が売るリンゴを食べたのだが、そこから記憶がなく、
気が付いたら森の奥で通りがかった王子様にキスされて蘇った-----という事なのだが。
もちろん死んでいる間に小人たちに犯されていたのは、白雪姫本人は当然知らないのだ。

「へえ・・・大変だったんだね。命を狙われたって事は、自分の国の城には戻れないって事なんだね」
「そういう事になるわね・・・」

自分はこれからどこに行ったらいいのだろう。そう思っていた白雪姫だったが-----
「白雪姫。もしよかったら、僕の国のお城で住まないか」
「えっ!いいの!?」
驚く白雪姫。行き場が無くて不安だったのだ。
「お城に一緒に・・・もちろん、一緒に住むだけじゃないんだ」
遠まわしなプロポーズなのだが、白雪姫には通じなかったようで、
「はい!お城のお掃除、料理、何でもします!」
という答えが返ってきた。
「あ、いや、違うんだ・・・」
「違うの?」

王子様は馬を止め、一旦馬から降りた。
「君も降りて」と、白雪姫を促す。
言われた通りに降りた白雪姫。
地面に立った2人は、お互いに向き合った。
そして王子様はこう言ったのだった。
「白雪姫・・・君の美しさに一目ぼれしたんだ。結婚してくれないか」
まさかプロポーズされるとは思っていなかった白雪姫だったが、
彼女の答えは「はい」だった。

数時間後-----
王子様と白雪姫を乗せた馬は、王子様の国のお城にたどり着いた。
「王子様、おかえりなさいませ!」
城の者が出迎える。
「そちらの女性の方は・・・?」
城の者が聞くと、王子様はこう答えた。
「この女性と結婚するんだ」
王子様のその言葉に、城の者たちは喜んだ。

数日後、お城で盛大な結婚式が行われ、
白雪姫は、以前と違ったお城暮らしの生活が始まり、
王子様との甘い夜も、毎晩のように行われました。

そして翌年。
白雪姫は8つ子の赤ちゃんを産みました。

<終わり>

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