ガラガラガラガラッ!
大きくて重い扉をスライドさせる音がした。
扉の向こうを見て、杏奈は「広いね!」と言った。
場所は、とある港の倉庫。
りんご公園から結構距離のある場所だ。
そしてこの倉庫は、持ち主が管理放置している倉庫で、勝手に入って中で怪しい取引などに使われている事が多い場所でもあった。
「よし、誰もいなさそうだな。さあ入って」
ここに杏奈を連れてきた成人男性が言った。
「誰も見てなさそうだな・・・」
成人男性は外を確認すると、倉庫の扉を閉めた。
もちろん、扉は閉めるだけじゃなく、内側のドアの取っ手に自転車のチェーンロックをかけ、外から開けられないようにもしていた。
倉庫の中は、やや広い感じの面積で、学校の教室ぐらいの大きさであった。
乱雑に箱が置かれている。
成人男性は鞄からレジャーシートを取り出して広げた。
「靴を脱いで座ってね」
素直に杏奈は靴を脱ぎ、レジャーシートに座った。
「遠足みたいだね!」と、ウキウキした様子で言った。
「うん。ここは座る場所がないから、こうやって座る場所を作るんだよ」
成人男性はそう言って、杏奈と同様に靴を脱ぎ、レジャーシートに座った。
レジャーシートは結構広い面積で、お花見の宴会用ぐらいの広さだった。
「では、さっそくだけど、1個だけアイテムをあげるね」
成人男性がゲーム機を取り出し、そう言った。
「え。1個だけ?」
驚く杏奈。
「残りは後であげるよ。まずは手始めに1個あげる、という形で」
変なの、と思った杏奈だが・・・
余計な事言って、機嫌を損ねたらアイテムがもらえなくなるかもしれない!
そう思い、何も言わずに杏奈もゲーム機を取り出した。
「子供にはわからないと思うけど、手付金という形なんだ」
「てつけきん・・・?」
「今回は、身体を触らせてくれる代わりにアイテムをあげるって約束だよね?」
「うん」
「あげるアイテムは1個だけじゃなく、いくつかあるよね」
「うん」
「身体を触らせてくれる前に1個だけあげて、触らせてもらった後に、他のアイテムもあげるという形なんだ」
こんな取り引きが初めての杏奈は、「わあ、なんだかおもしろいね!」と言ったのだった。
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