「仕事の説明をする前に・・・希美君はパスポートを持っているかい?」
「持ってますし今も有効です。ただ、雅也にはまってから海外には行ってないですが」
「そうか、持ってるなら大丈夫だ。この仕事はできるぞ。合格だ!」
そんな竜二の言葉にユウは「何の合格だか・・・」と言った。
「それでは仕事の説明を始めよう。海外に物を運ぶのと、海外から物を持ち帰るというものだ」
「は・・・運び屋ですか・・・」
「いい薬が手に入ってな。海外の仲間に持って行ってもらうんだ」
それを聞いた希美は、「ま・・・待ってください!運び屋って高確率で失敗しやすいじゃないですか・・・」
と、驚いて言ったのだった。
「確かにな。空港の税関で薬物を隠し持ってるのを見つかった話のテレビ番組も結構あるけど・・・。
絶対に見つからないとは言い切れないが、見つかりにくい隠し場所があるのさ」
「見つかりにくい場所・・・?」
「ところで希美君。君はタンポンを使った事あるかい?」
「た・・・タンポン!?」
まさか男性からタンポンの話が出てくるとは思わなかった希美は驚いた。
「あ・・・ありますけど・・・旅行の時と月の物が重なった場合ぐらいですが」
「あるのだったら問題は無いな」
「隠し場所はここだよ」
竜二はそう言って、箱を取り出した。箱の中にはタンポンが入ってる。
いや、それはタンポンの形をした物だった。
「箱の中身を見てみな」
そう言われ、希美は箱を開け、中のタンポンの形をした物を取り出した。
「ヒモ付きタンポンの形してますが・・・サイズは結構大きいかも。これをどうするんですか・・・?」
「よく見てみな。これはタンポンじゃないぜ」
「・・・!?」
タンポンは、大きく分けて経血を吸う吸収体という部分と、引っ張り出すためのヒモの部分がある。
その吸収体の部分が、プラスチックのカプセル状になっているのだ。
「このカプセルの部分は開けられるんだ」
竜二がそう言って、カプセルの端を引っ張って見せた。
するとその部分は取れ、カプセルの中に何か入れられるようになっていた。
「この中にブツを入れるんだよ」
「なんだか・・・すごいですね」
「ブツを入れたら、希美君のあそこに入れるのさ」
「あ、あそこって・・・」
「そそ。そこに入れたなら大丈夫だろう。よくある密輸では『服の中見せて』とか『カバンの中見せて』と言われて調べられてバレるけど、
さすがに『股の中見せて』なんて言えないからな」
「た・・・確かに・・・」
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