電車は動き始めると、こんな車内放送が流れた。
「本日は、◇◇行き臨時列車にご乗車ありがとうございます。当電車は◇◇駅まで直行便で、途中駅では停車いたしません」
それを聞いた真紀は、「え!?」と声を上げて驚いた。
というのも、◇◇駅まで、かなりの距離があり、時間もかなりかかるのだ。
乗客の中には「えっ!途中駅で止まらないの!?」と驚いた者もいた。

「帰りの電車が確保できたとはいえ、ギュウギュウ詰めの状態だと、やはりしんどいわねえ・・・」
ため息まじりで真紀はつぶやいた。
そんな最中-----
サワサワと彼女のお尻を触る者がいた。
-----えっ!?
手が触れただけよね!?
そう思った彼女だったが・・・
やがてその手は、尻に手が触れただけではないのが明らかになった。
その手は触るだけではなく、撫でるように触れ出したのだ。
-----えええええ!?痴漢・・・なの?これ?
触っている手は、更には尻を揉み始めた。
-----やっぱり痴漢か・・・
触っている手を掴んで上に挙げ、「この人痴漢です!」と大声で言ってやりたいのだが、
そんな勇気がないのはもちろんの事、触っただけなら、手を引っ込めたら証拠が残らないため『冤罪だ!』と言われて自分が悪者になってしまう可能性もある。
さらに相手側に悪知恵があった場合、本当に触ったにもかかわらず証拠が残らないのをいい事に、弁護士を呼んで法的に出る事もありえる。

『触る側』は、今度は真紀の身体を後ろから手を回した。そして胸を撫で始める。
しばらくサワサワと両手で撫で、やがて揉み始めた。
そして親指で、乳首のあたりを強めに触り始める。
一瞬、真紀は顔の角度を上に向けた。触られた刺激による反応である。
-----いい反応だな。
『触る側』はニヤッとした。

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