翌日の朝。
オレンジテーブルとして清水から葉月のスマホに電話がかかってきた。
もちろん、表向きは採用報告なのである。
・・・実際に採用されてはいたのだが、それと同時に、明日からどうするかの説明でもあった。
「お母さーん!オレンジテーブル採用になったの!」
通話が終わってから葉月は早速母親に知らせた。
「よかったわね!おめでとう!これであなたも社会人ね!」
母親は素直に喜んだ。
そして・・・父親からも祝福の言葉をかけてもらったものの、やっぱり歯切れが良くなかった。
親子3人。真実を知らないのは母親だけ、という形となった-----
後日、オレンジムービーから、『本物の高校卒業生が制服を脱いで大人になる』というコンセプトの成人向け動画及びDVDが発売された。
それが、葉月の動画女優デビュー作であった。
さらに後日のある日。
葉月は父親に、こんな質問をされた。
「これ、葉月だよな?」と。
そして彼は葉月のデビュー作のDVDを突き付けて来た。
「・・・!」
青ざめ、言葉を失う葉月。
「大人になったな、葉月」
厳しい言葉を投げかける父親だったが-----
「いや、何も言わんぞ。職業選びは自由だ。それに、葉月は18歳で高校卒業したし、社会的には成人扱いになるからな」
父親に反対されるかと思った葉月は、ひと安心した。
-----ところが。
「お母さんは、どう思うかな?自分の娘がエッチな職業に就いたという事に対して」
「・・・」
父親は、ニヤッと笑い、「お母さんには黙ってやるよ。・・・だから・・・」と、葉月の耳に口を近づけ、こう言った。
「やらせろ」
(前のページに戻る場合はブラウザで戻ってください)