森の奥に、馬の足音が響いた。
それにより、野生動物たちが木の上や洞穴に隠れだした。
普段、森には馬はいない。何者かが入ってきた、という事で、野生動物たちが避難したのだ。

馬の足音の主が姿を現した。
それは本物の馬だった。
いや、馬だけでなく、背中に人間を乗せている。
その人間の正体は-----この国とは別の国の王子様であった。
乗馬の訓練として、馬に乗って遠くの森を散策したりするのだ。

「!?」
森の草むらに置かれている人間に気づき、王子様は馬を止めた。
その人間とは、白雪姫の死体であった。

-----なんと美しい女性なんだ・・・

王子様は白雪姫を抱え上げるが、グッタリとして動かない。
それどころか息もしていない。
死んでるのだから当たり前なのだが------

「・・・死んでいるのか・・・」

死体でもかまわない、こんな美しい女性は、お城に連れて帰って自分の部屋に置いておきたい-----
そう思った王子様だった。
「生きていれば・・・すぐにでも結婚したい!」
死体ながらも白雪姫に猛烈な一目ぼれをした王子様だった。

そして-----王子様は白雪姫に熱い口づけをした。

すると、なんという事でしょう!
白雪姫が目を覚ましたのです!

「ひやっ!?」
目覚めた白雪姫が最初にあげた声が、それでした。

無理もない。
自分は老婆から受け取ったリンゴをかじってから、ずっと死んだ状態でいたからだ。
そして今自分がいる場所は森の奥、そして見知らぬ男性に口づけされたのだから-----

驚く白雪姫を、王子様は抱きしめた。
「よかった、生き返った・・・!」

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