「こ、こんな所に居る場合じゃないわ。小人たちの家まで戻らなくちゃ・・・」
白雪姫は、そう言ったが-----
「小人たちの家、どこかしら・・・」
自分が捨てられた事を知らずに、白雪姫は小人の家まで戻ろうとしていた。

「戻る場所がわからない?」
王子様が聞いた。
「はい」
「じゃあ一旦探してみようか。僕が来た道とは違う方向に行ってみよう」
王子様はそう言って、白雪姫を馬に乗せた。
その後ろに王子様が乗り、来た道とは違う方向へと馬を歩かせた。

7人の小人たちの家は、すぐに見つかった。
白雪姫は馬から降り、さっそく家のドアをノックした。
すぐにドアが開き、中から小人が出て来た。
「し・・・白雪姫!?死んだんじゃなかったの!?」
「ええ。さきほど蘇ったの」
その回答に小人たちは驚いた。
まあ普通なら死んだ人が蘇るなんてありえないから、驚くのも無理はないが-----

「ところで、白雪姫は、ここに戻ってきて、また一緒に暮らすんだね?」
小人のその言葉に、王子様が割って入って来てこう言った。
「いいえ、白雪姫は、僕の国に連れて帰ります」
その言葉を聞くや否や、小人たちはバタン!と大きな音を立ててドアを閉めた。
「ええっ!?」
驚く白雪姫をよそに、ガチャッ!と音を立て、ドアには鍵をかけられた。
小人たちは、白雪姫をここで住まわせるのは、エロい見返りを期待しての事であった。
既にエロい事はしているのだが、帰ってきたら、今後は本人公認のエロい見返りを期待しての事なのだが・・・

「こっ、小人さんたち、話を聞いて!」
ドンドンとドアを叩き、白雪姫が言った。
しかし中からは、何も返ってはこなかった。
そんな状態に、白雪姫は呆然とした。

「白雪姫・・・」
王子様に話しかけられ、白雪姫は振り返った。
「さあ、僕の国に一緒に来て・・・」
そう言って王子様は手を差し出した。
帰る場所がなくなり、行き場がなくなった白雪姫は、差し出された手に自分の手を乗せ、
「はい」と言って王子様の言葉に応じたのだった。

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