森の奥へ奥へと歩いて行く白雪姫。
やがて彼女は小さな家を発見した。
コンコンとノックをしてみると、「誰だい?」と中から声がした。
「も・・・森の中で道に迷って・・・」
白雪姫がそう言うと、ドアが開き、中から1人の小人が現れた。
小人は白雪姫の姿を見て驚いた。
「人間だ!」
応対に出た小人は、一旦中に戻ってしまった。
そして中から、こんな声がした。
「おい、人間が来たぞ!」
「どんな奴だ!?」
「女だ!」
「何か武器持ってたか?」
「いや、武器は持ってなさそうだぞ!」
そんな騒ぎのあと、先ほどの応対者が戻ってきた。
「ここへは、何しに来たのかな?」
もちろん、いきなり巨大な人(小人から見て)が家に来たら、何が目的なのか聞くのが自然なのだが・・・
「森で道に迷って・・・。帰る場所もないんです」
白雪姫が説明を始めた。
「帰る場所がない?その前に名前は何だ?」
「白雪姫です・・・」
名前を聞いて、小人たちはザワついた。
「白雪姫だって?それは本当か!?」
その声と共に、中にいた小人たちが出てきて白雪姫の姿を確認した。
そして彼らは口々にこう言った。
「本当だ!」
「本物をこんなに近くに見られるとはな!」
「たまに森を散歩するって聞いたけど、こんな所まで来るとは!」
「・・・ところで。帰る場所がないって言ってたね?どういう事?」
改めて最初の応対者が白雪姫に聞いた。
「城から逃げて来たんです。実は継母に命を狙われまして・・・」
白雪姫が言うと、小人たちが一斉に、
「なんだって!」
「こんな可愛い子の命を狙うとは!」
「許せないな!」
と言い、さらには、こう言ったのだった。
「帰る場所がないなら、ここで暮らしなよ」と。
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