白雪姫が森に暮らすようになって、何日か経った。
今日も朝に小人たちを送り出し、家の掃除をしていると、ドアをノックする音がした。
「はい、どなた?」
そう言って白雪姫はドアを開けると、そこには老婆がいた。
「お嬢さん」と、老婆が話しかけてきた。
「はい」
「おいしいリンゴはいかが」
そう言って、老婆はリンゴを差し出した。
「おいしそうなリンゴ・・・おいくらかしら」
白雪姫が言うと、老婆は、
「まずは試食してみなさい。どんな食べ物にも合う・合わないがあるからね」
と言って、リンゴを白雪姫の手の上に乗せた。

あーん、と大きな口を開け、リンゴをかじる白雪姫。
口の中で何度か噛むと、「ううっ!」と声を上げ、リンゴを床に落とした。
「こ・・・このリンゴ・・・私に合わないわ!」
そんな声をあげ、彼女は床に倒れ込んだが、しばらくして動かなくなった。

「合う・合わないじゃなく、リンゴには毒を入れておいたのさ」
老婆は白雪姫が全く動かなくなったのを確認すると、来た道を引き返して行った。

老婆の正体は、お妃様であった。
変身して、白雪姫に毒入りリンゴを食べさせて殺害を企てていたのだ。
白雪姫殺害計画は成功を収めたと共に-----
「狩人に頼まずに、自分で殺せばよかったよ」なんてつぶやいていた。

そしてお城に帰ったお妃様は、さっそく魔法の鏡に質問をしていた。
「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?」
魔法の鏡は期待通りの回答をした。
「それは、あなたさまです」
その答えを聞いたお妃様は、高笑いをした。
「おーっほっほっほ!一番美しいのは私なのよ!」

その日の夜。
7人の小人が仕事を終えて帰ると、倒れている白雪姫の姿を見て驚いた。
「こんな所で寝てると風邪ひくよ」
そう言って白雪姫の身体を起こそうとするが、力が抜けた状態で、自分から動こうとはしなかった。
「どういう事だ!?」
驚く小人たちだが------

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