「もうこの辺でいいだろ」
「そうだな」
そんな声がする。

場所は森の奥。時間は夜遅くである。
7人の小人たちは、白雪姫の死体を捨てにやってきた。
白雪姫の身体は綺麗に拭いてあり、下着もドレスも綺麗に着せられていた。
あくまで事件性のない死体に見せかけるためだ。

やがて白雪姫の死体は、森の奥の草むらに置かれた。
そして何事もなかったように、7人の小人たちは家に帰ったのだった。

こんな山奥に置かれていれば、そのうち肉食の野生動物が食べてくれるだろう。
白雪姫の死体の後始末は、野生動物に任せるとしよう。
彼らは、そう考えていた。

翌朝。
7人の小人は、いつも通りにお仕事に出かけていた。
見送ってくれたり食事作ってくれる人は、今日からいないのだが、
さみしいとか、そういった感情は全くなかった。
それどころか、下心ありきで保護した女の子が身体での見返りを期待する前に死んだのだから、
むしろ『恩知らず』という考えしかないのだ。

-----もう恩知らずの事は忘れようぜ。
7人の小人たちは、そう考えるようにした。
森の奥に置いておいたら、肉食の野生動物が食って始末してくれるからな。

場所は変わって白雪姫が置き去りになった場所。
ここは野生動物が、たくさん来たりするのだが、肉食動物が食べるどころか、つつくなどもする事もなかった。
というのも、見慣れない物が突然現れたのだから、野生動物側は用心して近寄りもしなかったのだ。
それにより、白雪姫の身体、及び、着てるドレスや下着は、表向き乱れたり汚れたりする事はなく、
綺麗な状態で置かれていた。

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